読書「半農半Xという生き方」

塩見直紀著

 

本との出会いが、人生の大きな転機になることがあります。

私にとって、この本がまさにそんな転機となった本でした。

 

そして、今の生き方につながっています。

 

「半農半Xって何?」と思われる方もいるかもしれません。

 

半農半Xとは、小さな農業で食べる分の食を得て、残りの半分で大好きなこと、やるべきこと、なすべきことをして社会と積極的に関わっていく生き方のコンセプト。

 

2011年の東日本大震災。大自然・地球の力をありのままに見せつけられ、生き方について迷走していた私が、たどり着いた一つのキーワード「農」。登山を通して自然と接し、さくらんぼの栽培をしながら、たどり着いたキーワードでした。

 

しかし、それでお金を得ようと思うと、たくさんの厳しい現実が押し寄せます。そんな時に半農半Xと出会いました。

 

「農が100%である必要はない。」

 

目から鱗。気持ちが楽になりました。

 

農は食べるために。自然を感じるために。

全てを作る必要はなく、足りないものは買う。

 

自然と接し、その季節を感じ、その時の野菜・果物をいただく。

そこに生きる力がある。

 

自然と向き合っていると、天気だったり、病気だったり、どうにもならないことが多くて、それらひとつひとつに腹を立てていたら、何もできません。おおらかに。

 

 

 

 

では、残りの半分の”X”をどうするか?

 

Xは人それぞれ、自分の好きな事、成すべき事です。

もうすでに持っているけれど、気づいていないだけかもしれません。

 

この本の著者 塩見直紀さんは、この回答をワークショップという形で提供しています。通信制(E-mailによるやりとり)も提供しています(有料)。

 

私の今の生き方、ヨガという道はこの通信制の半農半Xワークショップから生まれました。

半農半Xのコンセプトに照らし合わせると、今の私は「半農半ヨガ」的生活をしています。

 

 

また、このワークショップで良かったことがもう一つ。それは、アイデア出しの幅が広がったこと。

 

会社や地域などで、アイデアを出す打ち合わせの一場面。

なんだか出てくる案がしっくりこない、と思いながらも自分では何も提案できない。。。

そんな思いをされている方、半農半Xワークショップはオススメです。アイデア出しにも訓練が必要です。

自分の生き方を絞り出すワークになるので、真剣になれます(笑)

 

 

 

都会的な時間、魅惑のショッピング、レジャーやレストランでのディナー。

世の中は豊かになり、ほとんどのモノは用意され、お金があれば受け取ることができます。

それらを否定するつもりはありません。

半農半Xが万能ではなく、多種多様な生き方があっていいと思います。

 

でも、人は一人で生きているわけではありません。

たくさんのつながりを持って、つながりの中で生きています。

 

例えば、スマホや携帯を持っている人は、通信の会社やスマホ・携帯の設計メーカー、そんな人たちとつながっていて、電車やバスを利用する人は、運転手さんだったり、、。

 

だから、自分自身もきっと、何かとつながっているはずです。

だからこそ、そのつながりを大切にし、誰かが困った時、自分はこんなことができる、そんなことを考える人が増え、思いやりのある、補完しあえる社会ができたらいいな、そう思います。

 

 

塩見直紀さんのホームページ

http://www.towanoe.jp/xseed/

半農半Xブログ

http://plaza.rakuten.co.jp/simpleandmission/

 

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漫画「風の谷のナウシカ」

私の大好きな漫画。みなさんご存知、宮崎駿監督作品の原作コミックスです。

この世界観や物語に、私は強い影響を受けています。

 

 

人々が忌み嫌う、腐海の森にも存在意義があるということ。

腐海の森に住む生き物にも存在意義があるということ。

 

腐海の毒により、人は死に、街は消滅し、住む場所がなくなっていく世界。

人は生きるために、腐海の毒を拒否し続け、抵抗を続けています。

そして、少なくなった住む場所を人間同士で争っている。

 

生きるために、人を死に追いやるような腐海の毒は、

当然、受け入れ難く、拒否したいし、抵抗していきたいもの。

 

でも、ナウシカは全てを受け入れていきます。

人も腐海も腐海の生き物にも、同じように、心を開いていきます。

そして、その中で生きて行く。

 

 

畑で作物や果樹を育てていると、(人の都合で手が加えられてはいるけれど、)

そこには小さな生態系があって、きっとそれぞれに存在意義(理由)があって、

そのバランスで成り立っているんじゃないかと思ったり、感じたりして。

 

人間は、ある意味、先入観や自分の中に作られた世界観で、日々の生活を営んでいるけれども、

害虫と呼ばれる虫にも、病気にも、きっと何かの意味があって、

そこに新しい発見や考え方があって、それに気づくことで新しいつながりが出来ていく。

ただ単純に拒否するだけでは、気づくことができない。

 

たくさんのつながりを感じることで、様々なものへ興味や意識が向いていき、そこに思いやりが生まれてくる。

 

 

また、人とだけ向き合っていると、どうしても、人間共通の価値観の壁が取り払えなくて、だから時々、自然と向き合ってみる。山や川、空や雲。そこに住む生き物たち。きっと、人間の考え方が通用しないことがたくさんある。でも、つながっている。影響しあって、同じ世界に生きている。

 

 

良いとか悪いとか、善とか悪とか、抵抗や拒否ではなくて、受け入れて、見守っていくことで、

つながりを感じ、思いやりのある自然な流れが出来ていく。そんな世界。

 

 

もしかしたら、ヨガ的な瞑想の世界もそこにある気がするのです。

 

 

それでは、みなさんが穏やかな、思いやりのある毎日を過ごせますように。

読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

ちなみにナウシカ、そんなに難しい考え方をしなくとも、とても面白い作品です!(笑)

 

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読書「人間をみつめて」

神谷美恵子著、河出書房新社、2014年

 

 

今回はディープな内容です。

 

あなたの「生きがい」とは何か?

 

果たして、明確に回答できる人はどれだけいるでしょうか?

人間の生きかた、こころについて、たくさんの気づきのある一冊。

 

 

 

この本が最初に出版されたのは1970年代。私が生まれた年代です。

つまり、私の親の世代においても、ずっと警鐘は鳴らされていました。

戦後、世の中がモノで豊かになった反面、こころはよりどころを無くしていく。

そんな警鐘も好景気に支えられ、モノと欲望を繰り返し満たすことで、根本的に解決されることなく放置されてきたと感じます。

 

 

それは、私のこれまでの人生が語っています。

小、中学校の頃の私は、将来なりたい職業などありませんでした。

”なんと無く大学へ行き、どこかに就職する” そんな漠然としたイメージ。

将来の質問をされるのは嫌でした。

 

生活のために仕事につき、お金を稼ぐことでいつか幸せになれれば・・・そういう社会の雰囲気に染まっていたと思います。

不幸にも勉強は出来ない方ではなく、進路で大きく悩むこともなく進学。

そして大学を卒業し、電機メーカに就職。

モノを作る設計の仕事を出来、仕事は楽しかったです。

 

第一の転換期は、リーマンショックだと思います。

これまでのムードは一変。会社やメディアが景気が悪い悪いと繰り返し唱え、世の中に刷り込まれ、人々は洗脳されて・・・。会社でも閉塞感が蔓延しました。

 

閉塞感が蔓延してくると、徐々に心が問いかけてきます。無意識的に。

「このままでいいのか?」

でも、仕事は忙しかったですし、仕事に没頭することで、それの声は忘れられました。

 

しかし、2011年3月11日。東日本大震災が発生。

私の住む山形は大きな影響が無かったものの(停電とガソリン不足くらい)、こころを砕くのに十分な衝撃。

当たり前だと思っていた生活、そして生きかたを見直す、大きな転機となりました。

 

 

さて、話がだいぶそれてしまったので、本の内容に話を戻して、

私がとても重要で、大切な内容だと思っているのは以下の内容です。

 

  • 何が大切かという価値基準
  • 知性を活かす生きかた(創意工夫)

 

”人は生きがいを「何かすること」に求めて探しまわる。

しかし何かをする以前に、まず人間としての生を感謝とよろこびのうちに謙虚にうけとめる「存在のしかた」、つまり「ありかた」がたいせつに思える。”

(神谷美恵子「人間をみつめて」河出書房新社、2014年、p.171)

 

 

まずは、何かをする前に、ありのままの自分を見つめてみること。今の自分はどんな自分?何を考えているの?

それがどんな自分であっても、認めて、受け入れることが出来れば、スッとこころが楽になります。

 

 

自分のこころと向き合う時間は、日常生活ではなかなか取れないと思いますが、

ヨガや瞑想で、こころと向き合う時間を過ごしていただけたら、とても嬉しいです。

ヨガのポーズで、身体の健康を保っていただけたら、とても嬉しいです。

 

その上で、自分の価値基準を見つけ、工夫した生きかたが見つかったならば、とても嬉しく思います。

 

 

それでは、皆さんが穏やかな気持ちで過ごしていけますように。

こころと身体、人と人、人間と自然。どこかでつながってます。全てはひとつながりです!

 

 

 

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 読書「モリー先生との火曜日」

Tuesdays with Morrie

ミッチ・アルボム著 別宮貞徳 訳、NHK出版

 

 

ALSに侵され死を目前にした大学教授と、その教え子との心の交流を描いたノンフィクション作品。

哲学的ですが、とても読みやすいです。現代人が共感しやすい内容で、愛に溢れています。

 

是非、たくさんの人に読んで欲しい本です。特に、毎日を忙しく過ごしている人たちにオススメしたいです。

 

 

 

主人公のミッチは、とても現実的な生活をしています。パソコンや携帯電話を使ってテキパキと仕事をこなします。毎日毎日時間はふさがっています。でも、何か満ち足りない・・・その姿に今の自分を重ねる人は多いのではないでしょうか?

 

 

そんな主人公が死を目前とした大学教授と再会し、目をそらしたくなるような話題「死」というもの、そして「人生」というものと正面から接することになります。

 

 

きっと、たくさん共感できる部分があると思います。

そして、皆さんそれぞれの肩の小鳥に質問してみましょう。

 

 

 

 

ちなみに、以下の項目のどれか一つに「Yes」が当てはまる人は、モリー教授の哲学、その心に触れるべく、この本を強くオススメします(笑)

  • とにかく忙しい。時間がない。
  • 死ぬことは不幸だと思う。
  • お金のために人生がある気がする。

 

 

それでは、皆さんが素敵な本と出会えますように。

窓の外にあふれる自然の流れを、時々でも感じられますように。

 

 

<補足>

映画版もあり、DVDレンタルもしてます。教授がとてもいいです。DVDを見てから原作を読むと、キャラクターや場面を想像しやすくなると思います。

 

 

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 読書「すべてのお金の悩みを永久に解決する方法」

How to Solve All Your Money Problems Forever

ビクターボック著 弓場 隆 訳、サンマーク出版

 

 

皆さんは、お金が好きですか?

お金と向き合い、じっくりと考えたことはありますか?

 

お金は、現代社会で暮らすためには避けては通れない道です。お金が無ければ、ちょっとした外食も出来ません。新幹線や飛行機に乗って旅行にも行けません。

 

現代人の最も大きな悩み。それは「お金に対する悩み」ではないでしょうか?

恐ろしいことに、ほとんどの人は、お金に対して無意識に執着しています。

自分の財布を落としてしまった場面を想像した時、とても緊張すると思います。

 

その執着を少しでも手離すアイデアが入っている本。

そしてもう一つ、とても大切な、人生への問いかけが入っている本。

たくさんの人に一度読んでみて欲しい一冊です。

 

 

ヨガとお金。遠いもののように感じますが、現代社会の中で生きていく上でお金は必要です。

私もヨガに集中したいと思いつつ、金銭的な不安は常につきまとっています。

 

不安は執着から生まれます。

ブッダも、苦しみの原因は執着であると説いてます。

 

ヨガ的には修習と離欲。

ヨガのポーズ(アーサナ)を行うときも執着が生まれます。

・・・身体の重心。背骨の伸び、胸の広がり・・・モデルさんのような形になっているかな?この部分は伸びてないといけない。力づくでの伸びやポーズのキープ。・・・苦しい。

 

ある程度の方向付けは必要ですが、ポーズに執着しすぎた状態では、筋肉が緊張してしまいそれ以上ポーズが深まりません。

 

その執着を手離すことが重要です。でも、それは難しいことです。

繰り返し、繰り返し練習します。大いなる真剣さで。

 

 

さて、お金の話に戻します。

お金を持つこと、好きなこと。それ自体は悪いことだとは全く思いません。問題は執着する心です。

執着からは不安や苦しみが生まれます。執着しすぎないよう、手離す練習をしましょう!

そして、それは日常生活のいろいろな場面で役立つと思います。

 

また、もう一つの、とても重要な問いかけ。

こちらに対しても是非、本を手に取り、自分自身に問いかけてみてください。

(これから本を読む人のために内容は伏せておきます。)

 

それでは、みなさんが良い人生を送れるよう、心から願ってます!

穏やかな日々をお過ごしください。

 

 

※本の画像はAmazon.co.jpへのリンクになっています。

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